IPFbiz

知財・ 会計・ビジネスニュース

2019年の振り返り

   

今年も残りあと僅かですね。皆さんにとって2019年はどうだったでしょうか?
私は今年も色々なことがありました。2019年の振り返りをしながら、今年のブログを締めたいと思います。(ブログ復活!といいながら結局あんまり更新できなかったので、振り返り記事で誤魔化します。。)

まず今年は、娘の誕生と父の他界という大きなライフイベントが2つありました。
どちらも私の人生価値観に影響を与える出来事で、結果として、30年後にこうあっていたいという人生の明確な目標が出来ました(内容は秘密)。
その必要条件の一つとして、仕事面でもちゃんと成功している必要があるので、来年も気持ち新たに頑張っていこうと思います。

IPTechの2019年振り返り

ここからは主に仕事面での振り返り。
2016年に独立開業して、2018年にIPTech特許業務法人を設立しているので、独立から数えると4期目が終わり、IPTechとしてはもうすぐ2期目が終わるところです。

今年はIPTechとして凄く順調に成長できたような気がします。
業務委託なども含めるとIPTechメンバーは25人にまで増えてました(今リストで数えたのですが、思ったより多かった)。

単に人数が増えただけでなく、気持ちもまとまり体も筋肉質になったように感じます。
この辺は共同経営者の湯浅さん佐竹さんのおかげですね。
私は組織マネジメントは得意じゃない気がしてきていて(案件マネジメントは得意と思ってるけど)、組織マネジメントは湯浅さんに丸っとお願いして、特許実務は佐竹さんに丸っとお願いしたら、なんかいい感じになってた。

業務内容や動き方としても、顧問契約、知財管理や予算決めなど知財部的な業務、発明提案書からの戦略的な権利化などのIPTech的な業務スタイルが確立してきたように感じます。

クライアントも順調に増えて、クライアント自体も成長した企業が多かったです。
特に今年はIPOが決まったクライアントが多く(ランサーズ、AI inside、freee、ALiNKインターネット)、IPOをゴールのように捉えると怒られるかもですが、分かりやすい一つの成功としてやっぱり嬉しいです。
それ以外にも大型調達に成功したり、大企業との協業が決まったり。そのうち幾つかは、特許が大きな要因になったものもあり。
創業時からの目標が、スタートアップの経営に特許が役に立ったという成功事例を作っていきたいというものだったので、少しずつそれが出来ているように感じます。

ここまで成長できているのは、色んなクライアントを紹介してくれたり、コワークしてくれたり、他にも色々とイベントなどお声がけしてくれる周りの皆様のおかげです。

 

今年の頭にたてた2019年の抱負は、
・組織を強くすること
・外にたくさん出ること
の2つでした。

一つ目は、自分が頑張ったというより、周りの人たちのおかげで達成できたと思っています(まさに組織の力)。
二つ目は、物理的な夜の飲み会は娘の誕生により減ったけど、外部活動という点では結構増えたと思います。

ということで、ここからは外部活動的なものの振り返り。色々あるのでざっと書いていきます。

 

外部活動的なものの2019年振り返り

弁理士会関東の委員会活動として、ベンチャー支援部会の部会長を今年度からやらせてもらっています。活動内容としては、スタートアップに関わりたい弁理士向けの会員研修や、スタートアップ向けのイベントなど。イベントに関しては特許庁も共催してくれて、豪華なゲストにも協力いただき、かなり盛り上がったと聞いています(イベント前日に父の訃報があり、急遽私はいけないというアクシデント有り。。)

弁理士会本会の方にもスタートアップ支援WGというのが出来て、そちらはあまり活動していないのですが一応委員になって、その絡みとして特許庁のPJで、スタートアップ支援を知財専門家がする際の手引きみたいなものを作ってます。来年3月くらいに公開されるはず。

あとは、中央知的財産研究所というところで、知財と経済というテーマの会の研究員もやってみました。研究とか論文執筆とかは向いていないことを再認識して、今は大変な産みの苦しみを味わっています。もうやらない。

また、IPASという特許庁企画のアクセラレーションプログラムと、AMDAPという東京都企画のアクセラレーションプログラムの知財メンターを同時期に始めました。メンターと言っても、通常にクライアントの相談に乗っているのとあんまり変わらないのですが、他分野の専門家の方と同席したりするのはちょっと面白かった。

その他、知財協で知財会計セミナーしてみたり、デザイン経営セミナーしてみたり。でも今年はセミナーの数はあんまり多くなかった気がします。

 

オフ的なイベントでは、「特許の鉄人」というイベントの企画メンバーにも入って、解説を担当させてもらいました。想像以上に盛り上がって良かった。
また来年に第2回が予定されています。ぜひ申し込みください!

またご縁があって、アスキーさんで知財に関するコラムも始めました。
結構このコラムを見てくれてご連絡くれる方もいて、うれしい限りです。(毎月の締め切りプレッシャーがありますが。。)

また、カラクリ株式会社のCIPOに就任させていただきました。もう1社、こちらはまだ未公開ですが取締役就任させていただく企業と、また個人的に少額ですが出資をさせて頂いた企業もいます。
組織の拡大により、全部のクライアントを自分で見ることができなくなったので、逆に思い切ってコミットの濃淡つけて、単なるクライアントという以上に中のメンバーとしてコミットしてみたいという思いが背景にあります。中の立場で色々やることで新しい経験積むと、ほかのクライアントにも還元できることがあると思っています。あとは事務所をやりながらスタートアップに色んなかかわり方できるよという、新しいキャリアを作りたいという思いも少し。

うん、外にたくさん出るという抱負も、それなりに達成できたんじゃないでしょうか。

 

知財業界の2019年振り返り

最後に、知財業界は今年どうだったか。

まず、うちに身近な所で言うと、スタートアップ×知財というのは確実なムーブメントになりました。一部の人が言っているだけでなく、みんなが普通に言っている感じ。これは特許庁ベンチャー支援班の動きが大きいと思います。

他士業と比べると、弁理士・知財業界がスタートアップに着目をするのは比較的遅かったと思いますが、その分他士業よりも多くの人が同じ方向を向いたように感じます。
知財業界(特に弁理士会)は、出願件数が減りだしたリーマンショック以後ずっと、通常の特許出願以外の市場を探し続けているわけですが(知財コンサルとか中小企業支援とか知財価値評価とか)、スタートアップ×知財というのは、一つの解として今後も着目されると思います。

 

もう一つは、リーガルテックという文脈での新しい知財サービスの盛り上がり。
Toreruが2019年に商標代理件数で日本一になったというのは、エポックメイキングな出来事だと思います。それを追うcotoboxに、新設のすまるかやNOMYNEなど、商標というのはテック導入に相性がいい分野だけに、今後も競争は激化しそうです。

AIを使った特許調査やIPランドスケープも盛り上がりを見せました。今後どう着地していくのか注目です。

特許の方は、商標に比べるとそこまで大きな影響を受けていないと思いますが、地味に、知財管理システムのSaaS化・クラウド化などは進んだと感じています。Toreruの特許版のような影響が大きいものはまだ出てきていないし、あんまり思いつかないけれど、今後はどうなるか分かりません。明細書作成支援ツールというのは、現実的なチャンスが残っている領域かなと考えています。

 

特許事務所業界としては、大きな事務所と小さめで尖っている事務所はそれぞれ元気で、中堅の普通の事務所は経営に苦しむという二極化が進んでいると思います。
大企業の大量の仕事をミスなくこなせるという体制は確実なニーズがあり、スタートアップなど大企業と異なるニーズに柔軟に対応した小さめの事務所も成功したけど、業界全体でみると景気が良いわけではないので真ん中の普通の事務所が倒れていっている。

時代の変化は特許事務所業界にも確実に表れていて、新時代に対応できる特許事務所にしなきゃいけないなと思います。

特許事務所よりもインハウスの方が相対的に人気が高まっているというマクロトレンドは変わっていませんが、2019年は比較的、事務所などの専門家にもスポットが当たった年のように感じます。この辺は個人的な体感ですが、知財クラスタのTwitterが今年は特に盛り上がったように感じます。Twitterというツールの特性上、専門家個人の盛り上がりを感じたのかも。

 

 

ついでに仕事外の話も。

今年は結構ゲームをやりました。ポケモンやゼルダやドラクエはライトに楽しんだし、一番やりこんだのはTEPPENというリアルタイムカードゲーム。やると凄く面白いけどあんまり流行ってないので皆もっとやってほしい。TEPPENにはまるタイミングでハースストーンはあんまりやらなくなったけど、最近出たバトルグラウンドという新しいモード(オートチェス的なの)が面白すぎて逆にTEPPENをやらなくなった。
将棋はコンスタントにやってるけど、ぷよぷよはあんまりやらなくなりました。
今は、これからはまれるMMORPGが無いか探してる感じです。

読書の量はちょっと減りました。子供出来て特に集中力落ちた。
漫画は結構読んでます。アプリ系で読むことが増えて、習慣だったコンビニ立ち読みが無くなった。アニメ・映画はNetflixやめてAmazonプライムに一本化してちょいちょい見てます。

テニスはめっきりやらなくなっちゃった。代わりというわけじゃないけど、卓球をガチで始めようとしています。お友達に卓球ガチ勢がいたら声かけてください。

 

うん、今年はこんな感じでした。概ね満足な年です!

来年はどんな年にするのか。年末にIPTechの経営合宿をするので、そこでしっかり考えて、年明けにまた記事更新します!
とりあえず、皆さま、今年も大変お世話になりました。よいお年を!

 

 - 特許

ad

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  関連記事

2021年の抱負

明けましておめでとうございます。 一年の計は元旦にあり! ということで、毎年恒例 …

知財システム・サービス紹介シリーズ 第2回「株式会社IRD」

知財システム・サービスを紹介していくシリーズ、 第2回は「株式会社IRD」が提供 …

IPランドスケープとパテントマップの違い

知財系 もっともっと Advent Calendar 2021の枠が空いていたの …

湯浅竜×IPFbiz ~知財教育と最強の知財マン~

対談シリーズ第13回目は、弁理士の湯浅竜さんです。前回の野崎さんからご紹介いただ …

IT系知財のオープンな勉強会やります。 ~気になる特許について語ろう会(第1回)~

これまで、事務所内で定期的に勉強会をやってきました。過去の事例で中間対応案考えて …

知財立国研究会第3回シンポジウム ~元特許庁長官 VS 元知財高裁所長で、特許庁と知財高裁の10年を回顧する~

シンポジウムの紹介です。私も入会させて頂いている知財立国研究会にて、「打ってでる …

基本特許とは何か。基本特許の例/リスト[弁理士の日記念]

本日7/1は、弁理士の日らしいです。弁理士だけど知らなかった。ということで、ドク …

no image
独占性と排他性:独占排他権の誤解

特許権は、「独占排他的な権利」であると言われます。 独占的であり、かつ排他的であ …

知財業界の歴史と未来

  ”歴史を振り返って、過去から現在までの時の流れに思いを巡らせてごら …

知財システム・サービス紹介シリーズ 第3回「特許ストーリー」

知財システム・サービスを紹介していくシリーズ、 第3回は、アイビーリサーチ株式会 …