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特許査定後コピー分割のすすめ

   

特許査定が出たあと、登録料を納付して権利を登録させる前に、分割出願をしておいた方がいいことがあります。
とりあえず出願時と同じ内容で分割出願をすることを、ここでは「コピー分割」と呼びます。

コピー分割とは何か、そもそも分割出願とは何か、そのメリットは?判断基準は?
という内容を、知財に詳しくない方向けに、ざっくりと解説します。

 

分割出願ってなに?

分割出願とは、そもそもの制度趣旨としては、複数の発明を含む出願の一部を新たな出願とするものです。例えば、一つの出願にAとBという二つの異なる発明が記載されているとして、元の出願(親出願と呼びます)の内容をAだけに補正して、分割出願として新たに出願するもの(子出願と呼びます)の内容をBだけにする、というイメージです。
そうすると、子出願の出願日を、現実に分割出願の手続をした日ではなく、親出願が出願された日とみなしますよ、という効果が得られます。

複数の発明のうち、一部を分割して出願するから「分割出願」という名前なのですが、実際は上のような使われ方をすることは稀です。
重要な事は、子出願の出願日が親出願の出願日に遡及するという効果であって、本当にAとBのように全く異なる発明を分割する必要はないのです。

実際の出願書類は、Aという発明であっても色んなバリエーションが書かれていて、こんな機能が付いていてもいいし付いていなくてもいい、この機能はこういう実装でもいいし別の実装でもいい・・と、例えるなら、発明Aだけでなく、微妙に変えたA’、A”、A”’・・が書かれているというイメージですね。
なので、分割出願を利用することで、親出願ではA’で特許になったのだけど、子出願ではA”でも登録に出来た、という感じで細かい権利範囲を変えた複数の権利を成立させることができます。

この分割出願を活用することで、権利行使をしたい競合サービスの仕様に合わせるように特許の権利範囲を細かくチューニングすることができるのです。(ただし、子出願の内容は親出願に書かれている範囲でしか書けません。)

特許訴訟で使われている特許は、分割出願であることが相対的に多く、また分割出願での訴訟の方が侵害認定率も高いという統計もあります。

ガチンコで権利行使をしていきたい案件は、ちょっと手間と費用がかかりますが、分割出願を活用していくことも重要となっていくのです。

 

特許査定後のコピー分割のメリット

分割出願をするタイミングですが、ざっくり言うと登録が確定する前にする必要があり、分かりやすい検討のタイミングが「特許査定が出た後」です。

特許査定が出て、権利が登録されると、その内容は確定してしまいその後変更をすることは難しいです。ですので、そのタイミングで分割出願を検討することになります。分割出願をする以上は、その後補正をしてどういう権利化を目指すかというのを考えることになりますが、IPTechでは特許査定後にとりあえずコピー分割をしておくことをおススメすることが多いです。

これは、特に早期審査で特許査定が出ている場合に有効です。早期審査を使うと、スムーズにいけば出願から半年くらいで権利化可能です。早期に権利化できるというのは分かりやすいメリットであると同時に、早期に権利内容が確定してしまうという面ではデメリットにもなりえます。一見良い特許が取れたようでも、競合が微妙に違う仕様で実装してきて、確定した特許の権利範囲からは微妙な文言の違いで侵害を回避できてしまったりするからです。

その時にコピー分割があれば、その競合の仕様を確認したうえで、そこに合わせて権利範囲をチューニングするような補正をして、権利化を目指すことができます。これがコピー分割のメリットです。また、ディフェンスの観点からも、自社の実装に合わせた権利化を後にすることで、競合からの攻撃に反論しやすかったりもします。

デメリットは基本は費用のみですが、IPTechの場合は特許印紙代の14,000円に加えて手数料は10,000円のみとして、気軽にコピー分割が出来るようにしています。

 

特許査定のタイミングでとりあえずコピー分割をしておいて、その後子出願の審査請求期限のタイミングで、コピー分割をどうするか考える。そのタイミングで気になる競合サービスが出ている場合は、そこに合わせるように活用できるし、特にそういう事情がなくて、親出願以上に欲張る理由もないときはそのまま放置する。
つまり、将来(と言っても1,2年以内ですが)何かあったときの保険のようなイメージでコピー分割をする、ということになります。

 

コピー分割の判断基準

以上のような理由なので、なんでもかんでも分割出願をすればいいというわけではありません。

ざっくり下記のような判断基準になるかと思います。

コピー分割をした方がいい要素

・早期審査で早期に登録に至っている。

・親出願に余計な限定があるかもしれない。

・競合が出てきそう。その場合しっかり権利行使したい。

 

しなくてもいい要素

・特許査定のタイミングで親出願から3年以上経過していて、今現在気になる競合サービスが無い。

・親出願でパーフェクトな権利内容となっている。

・権利行使をするつもりが全く無い。

 

費用面のデメリットはかなり抑えられていると思うので、上記の判断要素に基づいて、した方がいい要素が多そうであれば、とりあえずコピー分割をしておくと、後々の後悔が少なくなるかなと思います。

 

 - 特許

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