特許を書く仕事はカッコイイということ
弁理士の典型的な業務が、特許の出願代理を行うこと、すなわち特許を書くことです。
発明者からヒアリングをして発明の本質を見極めて、事業との関係も考慮しながら強い特許を取るための出願書類を作成する。
しかし、大企業からの依頼案件の場合、企業知財部側でヒアリング業務が完了しており、発明提案書というドキュメントだけの共有を受けて、それに従って出願書類を書くという場合もあります。
このようなことを受けて、弁理士は「代書屋」と揶揄されることもあります。
また、書類を書くというデスクワークの時間が一般的に長いことから、コミュニケーションが苦手な人に向いている仕事だと見られている向きもあるように感じます。
特許事務所で特許を書く仕事よりも、企業知財部でより上流工程や係争に絡んだり、知財コンサルティングのような業務をする方が魅力的に感じている人も多いと思います。
このような状態で、私は声を大にしてみんなに伝えたい。
「特許を書く仕事はカッコイイ」ということを。
もちろん知財戦略をしっかり考えて、どのように特許を取るか(取らないか)、何のために特許を取るのかということを考えるのは大事です。
ただ、それらは最終的に、「どのように特許を書くのか」という業務に集約されるんじゃないかと思います。
発明の技術的知識を持って、各国の法律知識も持って、クライアントの事業戦略を理解して、発明者との適切なコミュニケーションを経て、特許を書く。
これって非常に面白いし、カッコイイ仕事だと思うんですよ。
前置きが長くなりましたが、6/19に「特許の鉄人 ~クレーム作成タイムバトル~」というイベントが開催されます。
25分という短い時間で、発明者にヒアリングをして、クレーム(特許請求の範囲)という特許出願書類で最も重要な箇所を書き上げる。
一見地味なテーマのようですが、制約時間のある中で発明者にどんなことを聞くのか、どのように書類が書きあげられるのかというのをリアルタイムに感じ取ることができる、エキサイティングなイベントだと思います。
このイベントでもって、特許を書く仕事ってカッコいいな、凄いな、面白いな、というのが伝わればいいなと思います。
私も解説役で登壇しますので、どのような狙い・思いでそういう書き方をしているかという点を、しっかりと選手から吸い上げて解説できればと思います。
チケットは明日の正午から発売開始ですので、みなさん奮ってご参加ください!
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Comment
とても面白そうですね。
気が付いた時には、チケット売り切れでした。
うーん、とても残念。