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伊藤雅浩×IPFbiz ~ITコンサルと弁護士と知財~

      2015/02/22

対談シリーズ第4回目は、弁護士の伊藤先生との対談です。

伊藤先生はアクセンチュアでのITコンサルタントから弁護士になられた異色のキャリア。現在は内田・鮫島法律事務所のパートナー弁護士として、IP/ITを専門に活躍しておられます。

ITコンサルから弁護士になったきっかけや、ブログのこと、最近の気になるトピックス(パーソナルデータ、コンピュータ創作物、将棋と著作権など)についてお話を伺いました。

伊藤先生

ITコンサルからベンチャーから弁護士へ

安高:伊藤さんは元々ITコンサル出身の弁護士という、変わったキャリアですよね。まずはこれまでのキャリアと、弁護士になられたきっかけなどをお伺いさせてください。

伊藤:私は法科大学院の1期生なのですが、1期生はそういうちょっと変わってる、けど優秀な人がたくさんいましたよ。
法科大学院という制度が出来たので、それに乗っかって弁護士を目指したのですが、もともと大学では情報工学を専攻していて、アクセンチュアなどでシステム開発をやっていました。

安高:最初にITコンサルに入った理由は何ですか?

伊藤:96年にアクセンチュアに入ったのですが、ちょうどその頃は「これからコンサル業界が来るぞ」と言われていたんですよね。ちなみに大学で情報工学を専攻したのも、その時は「これからはITコンピュータの時代だ」と言われていて。流行りに乗っかって節操ないんですが(笑

安高:いやいや、流れを見極めてそれに乗るのは重要ですよ。アクセンチュアにはどのくらい勤めていたんですか?

伊藤:2000年までだから、4年くらいですね。アクセンチュアの後に、独立系コンサルのベンチャーに移ったんですよ。その頃はITバブルが崩壊しつつある頃で、また「これからはベンチャーの時代だ」と言われている頃でもありました。

安高:流れの乗り方が素晴らしいですね。そこでもITコンサルをやられていたんですか?

伊藤:ええ、元アクセンチュアの先輩が立ち上げたITコンサルのベンチャーで、当時は取締役3人しかいなかったのですが、今は百何十人くらいになっていると思います。

安高:なかなかの冒険ですよね。

伊藤:先輩社員に誘われたのですが、その頃はベンチャーに行くのが熱いというような、一種の熱狂がありましたよね。
そこでしばらくITコンサルを続けていて、2004年に法科大学院に入りました。

安高:突然弁護士を目指したきっかけはあったんですか?

伊藤:法科大学院制度が出来たからというのがありますが。一つきっかけとしては、当時PM(プロジェクトマネージャ)をやっていた案件がトラブって、訴訟になったことがあったんですよ。ベンダー側がクライアントを訴えたのですが、そのクライアントも大きくないところで、当時その案件に一番詳しいのがPMをやっていた私だったんですね。それで弁護士への説明なんかも自分でやっていました。

安高:なるほど、そんなきっかけがあったんですね。それで当時の弁護士さんの仕事ぶりに憧れて弁護士を目指そうと?

伊藤:いや、どちらかというと逆で(笑) 当時のクライアントの顧問弁護士が年配の先生で、当然ITについても詳しくはない方だったんですよ。システムというのはこうなっていて、箱だけじゃ動かないんですよ、とか説明をしていて。
弁護士ダメだなぁ、というかシステムを知っている弁護士ってあまりいないんだなぁと。IT業界で紛争が多いことも分かっていたので、IT業界に詳しい弁護士として、その紛争を解決・予防できる人になろうと思いましたね。

安高:なるほど、それで法科大学院に3年通って、司法試験に合格されたんですよね。3年間、収入がなくなって大変だったんじゃないですか?

伊藤:貯金を切り崩しながら、なんとかですね。グラフを作って、この減り具合だとこの年までに合格しないぞマイナスになるぞと(笑
なんとかストレートで合格できたので良かったですけど。それで司法修習を経て、今の内田・鮫島法律事務所(USLF)に入りました。

安高:USLFを選んだ理由は何ですか?

伊藤:「基礎から学ぶSEの法律知識」という本を鮫島が書いているんですが、それでIBM出身なんだと知って、あとは突撃ですね。

安高:USLFというと、知財とIT・技術に強いというイメージなのですが、当時からIT系の強みはあったんですか?

伊藤:いや、当時はやはり知財系が強かったですね。それで、IP/ITのITの部分を自分に好きなようにやらせてくれて。USLFのIT系のクライアントは大体私が開拓しています。

専門領域 最近の仕事

安高:じゃあ伊藤さんの専門領域は、基本的にはIT分野なんですよね。

伊藤:そうですね。特許訴訟案件もやっていますが、最近は私より特許が得意な弁護士がたくさんいますから彼らに任せていますね。もちろん私のクライアント(IT系)から特許の相談が来たら受けますけど。

安高:ちなみにUSLFとしては、知財系の相談案件が多いと思うんですが、特許出願はしないんですか?

伊藤:出願はしていないですね。基本は特許の係争案件、契約と、後は中間処理(特許庁からの拒絶理由への対応)の相談です。

安高:中間処理だけを、特許事務所じゃなくて法律事務所に依頼するのって、ちょっと意外なのですが。そんな依頼があるんですね。

伊藤:確かに、普通は少ないのかもしれませんが。我々は係争案件の経験が豊富なので、こういうクレームだったら良かったのになという活用視点での知見がたまっているんですよ。弁理士さんとは異なる視点からアドバイスをすることができる。

安高:ああ、なるほど。この限定を入れたら登録になりそうなんだけど、その権利範囲でもイ号製品が含まれますか?とか、どういう文言なら良いでしょうか?みたいな感じですね。それは有意義かもしれない。

伊藤:ええ、将来の権利行使を見据えてのアドバイスです。

安高:でもそこまでやるなら、出願まで手を広げても受注はありそうですよね。

伊藤:係争案件は特許事務所から紹介を受けることがあります。我々が特許出願までやっていると、ちょっと紹介は受けにくくなりますよね。
それよりも色んな特許事務所とのリレーションを大事にした方がいいかなと思っています。

 

ブログについて

安高:話は変わるのですが、伊藤さんのブログもだいぶ長いこと続けていますよね?

伊藤:本体のブログを書き始めたのはロースクールに入って1年目の時で、2005年の3月です。来月で10周年なんですよ。

安高:10周年!すごいです。当時はどんなことを書いていたんですか?

伊藤:ロースクール生の日常みたいな感じで、匿名で書いていたんですが、今見返すとちょっと恥ずかしいですね。

安高:その頃は匿名でやっていたんですね。

伊藤:今も、ブログのページ上では明確に名前は出していないつもりですけどね。
それで弁護士になってから、判例のことを色々と書きだして。そうすると子供や将棋のような趣味のことと、ごちゃごちゃになったので、2009年に判例メモだけ別館として独立させました。

安高:伊藤さんはそういう理由で、本体のブログと、判例メモの別館ブログと2つに分けて書いているんですよね。私も基本は知財・法務系のことをブログに書いているんですが、たまにどうしても将棋とかぷよぷよとか、趣味のことを書きたくなって。ごっちゃになってしまってます。悩ましいんですが、書きたいものは書きたいし、分けるのももったいない気がして。

伊藤:確かに難しいですね。人によっては将棋関係のものだけ読んでいるとか、逆にそういうのを読み飛ばしているとか様々ですからね。
別館のほうは、元々は自分が読んだ判例を忘れないようにメモすることが目的で。最初はEvernoteを使おうと思ったんですが、それだったらブログとして公開してもいいんじゃないかと思って。

安高:なるほど、じゃあ情報発信の目的というよりは、自分のノート代わりみたいな目的だったんですね。

伊藤:ええ、あのブログが一番役に立っているのは、間違いなく自分ですね。セミナー資料を作るときなんかも、自分用のインデックスがされていて探しやすいですし。

安高:一方の本館のほうは趣味という感じですか?

伊藤:本館の方にも法律のことも書くんですけどね。本館のほうはフローで、別館のほうはストックという感じです。
別館のほうは検索からのアクセスが多くて、本館の方はRSSなど巡回系の見られ方が多いですし。

安高:どちらのアクセスが多いんですか?

伊藤:昔は圧倒的に本館の方が多かったんですが、最近は更新頻度が高くないので、だいぶ接近してきましたね。別館のほうはストックだから、記事がたまる分だけ検索流入が増えますからね。いつか逆転しちゃかもしれない。

 

ブログを書いていて良かったこと

安高:10年ブログを続けてきて、良かったことはありますか?

伊藤:色々ありますよ。ブログを見てもらって直接それで案件依頼が来るということはほぼないですけど、見てますよと声をかけられたり、それがきっかけで知りあいになったりとか。やっぱり人間関係の繋がりですかね。
後は、私はIT法務を専門にやってますというのを事務所のHPに書くよりも、こういうブログを書いていることの方が何よりの説明になるのかなとは思います。

安高:確かに、お客様からの信頼が重要な仕事ですもんね。長く続いている専門的なブログを見ると、専門性に信用が増しますよね。ブログがきっかけでの依頼は多くないんですね。

伊藤:そうですね。いかにも「こういうことは私に相談してください」みたいなことをブログに書くのはあんまり好きじゃなくって。それよりは、真面目に勉強して、ちょっと気づいたことを書きましたという感じで。クライアントにも受注後にブログを見られて、ああ、こういうこと書いているんですね、というのが多いです。

安高:伊藤さんはTwitterでもよく情報発信しているイメージがあります。

伊藤:Twitterはちゃんとビジョンがあってやってるわけじゃなくて、あくまで情報収集目的なんですけどね。やっぱりアンテナの高い人がいて、鮮度の高い情報がありますよね。
それで見てると、ついついいらんことを言いたくなって、呟いちゃう。それでもそこを通じて知り合った人もいます。

伊藤先生

最近の気になるトピックス

安高:ここからは、伊藤さんの最近気になっているトピックスについて、2,3伺えたらと思いますが、最近気になっていることなどありますか?

伊藤:うーん、まずはパーソナルデータ周りですかね。

 

パーソナルデータ 個人情報保護法改正

安高:個人情報保護法が改正されますね。個人情報の定義拡充と、匿名加工データの話と、利用目的の変更についてなどですね。

伊藤:IT系のクライアントが多いので、影響を受ける企業も多いですし、どうなるんですか?と相談を受けることもあります。私のクライアントは行儀が良いところが多いですけどね。

安高:改正自体にはどのような印象をお持ちですか?

伊藤:うーん、海外のことに詳しいわけではないのですが、EUの十分性の認定が取れるか取れないかということで国内法のルールを決めるのは、本当は違うんじゃないかなと思います。必ずしも、その十分性認定を取ることが絶対に必要ではなくって、それよりも、日本のIT企業やコンシューマ企業が何をしたいのか、というところを見るべきですよね。
あとは、規制を緩和して何をしたいのか、正直よく分からないところがあります。今の規制では何が問題かという点をもうちょっと説明しないといけない。

匿名加工データについては、suicaの件などもあって、現行法では個人情報該当性の問題から出来なかったところですよね。これは分かるんですが、利用目的を後からオプトアウトで変更できるというのは、それによって何をしたいのか、ちょっと分からないですね。

安高:後からサービス変更やサービスの拡充で、利用目的が追加変更することは、色々ありそうですけどね。

伊藤:今までこういう理由で出来なかったビジネスが、こういう風に出来るようになるという具体的な話、立法事実がよく分からないですね。

安高:著作権のほうの議論でも、具体的な立法事実はなんだとかいう議論になっていました。

伊藤:そうですよね。著作権は、私人対私人の権利の調整の側面もあるので、フェアユース規定によって事後的に解決するというのも一つの解だとは思います。でも個人情報保護法は業規制の法律ですし、広めに穴をあけておいて何か問題があったときに、それぞれの個人と事業者との間で事後的に解決すればいいという問題ではないように思います。

安高:なるほど。個人情報の定義の拡充についてはどうですか?
元々データ活用を進めるための規制緩和の改正のはずが、定義が拡充することで規制強化になってしまったともいわれますが。

伊藤:定義の拡充は、ある種必然の流れかなと思っています。今やパスポート番号なんかも、その人そのものを特定する情報だと思うので。
企業からは、どこまでが個人情報なのかわからないという声を聞きますが、今回の改正によって、グレーゾーンが明確になるならむしろ歓迎かなと。まあ今回拡充される範囲が政令で指定されるようですが、その中身は問題になりそうですけど。

 

コンピュータ創作物の知財

安高:他に何か気になっているトピックはありますか?

伊藤:最近気になっているのは、コンピュータ創作物ですかね。

安高:コンピュータによる創作物が保護されるかどうか、面白い論点ですよね。

伊藤:平成5年に文化庁の著作権審議会での検討があって、そこからの議論の進展があまりないんですよね。
典型的には、グーグル翻訳のアウトプットとか、コンパイルされたソフトウェアとか。

安高:機械学習やAIの技術進歩も凄まじいですからね。

伊藤:ええ、元々人間が単にコンピュータを道具として使って創作したのであれば、それによる動作としてのアウトプットの著作者は人間でしょうけど、機械学習なんかが本格化するとそうも言えなくなる。
AIによる創作物は、そもそも思想または感情なのか、それが創作的に表現されたものなのか。著作物だとしても、著作権者は操作をした人なのか、エンジンを作った人なのか。誰でもないとしたらそれはどうやって利用できるのか、どのような権利が帰属するのか。

安高:近い事例として、サルの自撮り問題がありましたよね。写真家のカメラをサルが勝手に触って、素晴らしい自撮り写真が取れたという件。あれも写真家が狙ってセッティングしたなら写真家が著作権者なのでしょうけど、そのケースでは偶然の産物であって、写真家がそこまで創作に関与したわけではない。そうすると著作者はサルだけど、サルに権利能力がないから、結局パブリックドメインになってしまって、使いたい放題だと。

伊藤: 平成5年の審議会では、コンピュータ創作物に関する立法化は時期尚早だという結論で終わっているんですが、それから20年経って、未だに立法のテーマにすら上がってこないのは、結局困っている人はいなんじゃないかとも思いますが。

安高:近い将来必ず問題は起こりそうですけどね。ある程度本格的なAIやロボットが家庭に普及してきたら。

伊藤:AIのお絵かきソフトに絵を描かせて、それをネットにアップしたら勝手に転載されたみたいな。「こら、その絵はうちのAIが描いたんだぞ」と言った時に、それは著作権で保護されるのか、誰が権利を持ってるのか、とかですね。

安高:やっぱりそのソフトの所有者や、操作・セッティングをした人の権利として保護されるべきだと思います。

伊藤:何らかの財産権とは言えそうですけどね。著作権法は創作行為のインセンティブを与えるものだから、AIを育てた行為って、表現に向けた創作行為ですか?著作権で保護すべきものですか?と言われると難しい気もする。

安高:著作権の問題もそうですし、ロボットによる発明というのもありそうですよね。その技術的思想の発明者は誰かと。

伊藤:それもありそうですね。でもきっと創作物のほうが問題になるのは早そう。

安高:面白い論点ですよね。私はサルの自撮りの件も写真家の権利として保護すべきだったと考えていて、パブリックドメインではなく、一番創作に寄与した人間が権利者になるべきなんだろうなと思います。

 

将棋と著作権

安高:最後に、将棋について話を聞かせてください。よく将棋のことを呟いていますが、結構指されるんですか?

伊藤:私自身はそんなに強いわけじゃなくて、子供に負けないように頑張ってますけど。

安高:お子さんは相当強いと聞きましたが。

伊藤:小学校に入る前の時点で、私より強かったですね。今は奨励会に入っていて、将棋倶楽部24でレートが2500くらいです。
私が司法修習生だった時に時間があったから、子供に将棋を教えていたんですが、そうしたらはまってしまって。あんまり相手していられないから近所の道場に入れたのですが、その道場の先生が良かったこともあって入り浸ってしまって。

安高:それは相当強いですね。将来プロ棋士になるのを期待します。それでお子さんに負けないように伊藤さんも指しているんですね。

伊藤:子供がどんどん強くなるんで、楽しいですね。ブログで将棋のことを書いていたら、他の将棋関係のブログを書いている人と知り合って、子供の大会でお会いしたりして。それで親父の集まりで社会人リーグに出たりしています。

安高:いいですね。私は将棋電王戦(コンピュータ将棋対プロ棋士)を見て感動して、1年前くらいから将棋の勉強を始めたところです。

伊藤:将棋電王戦、あれは素晴らしいですよね。早く渡辺・羽生を出してくれと思いますけど。でもAIの貢献による発展には注目しています。人間が思いつかないような将棋の手が出てくるというのは既に起こっているし、絵画とか文学の世界でも、人間でも書けないような、思いつかないような素晴らしい絵とか小説とかが出てくるってのはあり得ますよね。将棋の場合は、残念ながら棋譜は著作権では保護されないでしょうけど。

安高:棋譜が著作物ではないというのは、どういう説明になりますか?

伊藤:棋譜は対局の結果ですからね、野球でいうスコアブックのようなもの。対局は創作的な行為でしょうけど、それは勝ち負けに対する創作的な行為であって、創作的な表現をしているわけではない。結局、勝ち負けの事実の記録に過ぎないということだと思います。

安高:なるほど。棋譜というものは、指し方のアイデアそのものであって、表現ではないからだという説明を聞いたこともあります。

伊藤:言っていることは同じだと思いますよ。どちらにしても、残念ながら棋譜自体は著作権法では保護されないでしょうね。詰将棋の問題は著作物だと思いますが。
(参考:詰将棋の著作権

安高:ああ、そうなんですね。詰将棋も、ちゃんとした問題にしようとしたらパターンが限られるので、微妙な気もするんですが。

伊藤:近い話で、パズルの著作物性についての判例があって、パズルそのもののアイデアについては著作物性はないんだけど、具体的な問題について著作物性があるとした裁判例はあります(注:東京地判平20.1.31)。
詰将棋でも、例えば中合いさせて、みたいなのはアイデアだけど、その細かいところで、どこにどの駒を配置して、というのは表現であって、著作物性はあると思いますよ。

安高:なるほど、言語の著作物でも短すぎると著作物性がなくて、五・七・五くらいから著作物性が認められるように、詰将棋でも3手詰め以降くらいから著作物性が認められるとかがあるのかもしれないですね。
ところでコンピュータ将棋は、過去のプロ棋士の棋譜を大量に読み取って、機械学習によって強くなっているんですよね。一種のフリーライドだと思いませんか?

伊藤:そういう面はありますよね。残念ながら著作物の利用とは言えないですけど。

安高:そうやって出来たコンピュータ将棋ソフトを商用利用するときには、なんらか将棋界に還元すべきだと思うんですよね。

伊藤:著作権ライセンスとはいかないけど、情報の利用料としての還元はあり得そうですね。
コンピュータ将棋は、きっと人間より強くなるでしょうけど、じゃあそうなった時に人間が指す将棋が魅力を失うかというと、私は失わないと思います。
ただ、プロによる解説の際の形勢判断は、信用度がなくなりますけどね。

安高:その通りですね(笑
ニコ生で将棋の中継をしたりしていますが、プロ棋士の解説コメントよりも、ユーザコメントでの「ポナンザに読ませたら先手が+200だった」とかのほうが信頼できたりしますよね。これはプロ棋士が可哀想。最近は公式でもソフト形勢判断が表示されるようになってきてますよね。

伊藤:ええ、プロ棋士はその形勢判断以上の面白いことを言わないといけない。
でも色んな分野でAIが進歩していけば、例えば裁判AIみたいな、パラメータに情報を入れたら、「懲役3年、執行猶予5年デス。」みたいな時代が来るかもしれません。

 

 

伊藤先生、対談いただきありがとうございました。
IT技術が進歩していくと、これまで想定していなかったようなIT/コンピュータと知財法務との問題点が浮上してくるかもしれません。

 - 知財戦略 ,

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