無形資産ではなく、特許のことは特許と言おうぜ
アドベントカレンダーに空き枠があったので、たまにはとりとめのないことでも書いてみようかなと。
知財経営とかの文脈で、なんとなく「特許」という言葉よりも、知財や知的資産、無形資産などの言葉を使うほうがそれっぽいとされる風潮があるような気がしています。
いや、もちろん視野を広げるのは重要ですし、特許だけじゃなくってブランドやノウハウも大事であるのは間違いないです。
なので、そういう意図をもって知財や無形資産という言葉を使うのはよいのです。
ただなんとなく、深い意味もなく、特許のことをメインで喋っているのに、あえて知財や無形資産という言葉を使った方が変に突っ込まれなくていいみたいな言葉のチョイスがされているような気がするのです。
言葉が上位概念化されると、内容も抽象化します。
無形資産に投資をすることが重要であることは誰も異論がないと思いますが、その言葉で誤魔化さずに、特許の出願や活用が重要なのかどうかは、はっきりと「特許」という言葉を使って個別に議論すべきだと思うのです。
だって特許とブランドとソフトウェアと研究開発と顧客ネットワークって、全然別物ですもん。一言で無形資産として一緒くたに議論できるものではないんですよ。
大事なのは特許だけじゃないよとか、特許にこだわりすぎたら駄目だよとかは本当にその通りなんですが、
でも、特許の話をするときは、怖がらずに「特許」という言葉を使ってはっきり分けて議論しようぜ。
なーんて思ったりしました。
とりとめのない感想です!良いクリスマスを。
関連記事
-
特許情報フェアの歩き方
さて、来週はいよいよ特許フェアですね。特許フェア初心者の方のために、特許フェアの …
-
法制度改正と特許出願(技術書典)
技術書典(エンジニアのコミケ)に、技術と法律チームで出展して、薄い本を出します。 …
-
今年の振り返りと来年の展望 ~会社を退職して独立開業します!~
今年も「法務系 Advent Calendar」に参加させていただきました!法務 …
-
知財FAQの目次ページ
知財のよくある質問に対して、こちら見てください!とリンクで返せるようなコンテンツ …
-
齋藤憲彦 × IPFbiz ~Appleに特許で勝った個人発明家~ (後編)訴訟裏話と知財司法の課題
前編からの続きです。アップルとのコンタクトから訴訟へきっかけは母親の発明?安高: …
-
湯浅竜×IPFbiz ~知財教育と最強の知財マン~
対談シリーズ第13回目は、弁理士の湯浅竜さんです。前回の野崎さんからご紹介いただ …
-
齋藤憲彦 × IPFbiz ~Appleに特許で勝った個人発明家~ (前編)クリックホイール発明秘話
対談シリーズ第19回目は、iPodのクリックホールに関する特許訴訟で、Apple …
-
2018年の振り返りと、2019年の抱負
一年の計は元旦にあり!私の好きな言葉です。昨年の振り返りと今年の目標を、しっかり …
-
知財立国研究会第3回シンポジウム ~元特許庁長官 VS 元知財高裁所長で、特許庁と知財高裁の10年を回顧する~
シンポジウムの紹介です。私も入会させて頂いている知財立国研究会にて、「打ってでる …
-
ニュージーランド、ソフトウェアに対する特許権付与を禁止へ
ニュージーランド、ソフトウェアに対する特許権付与を禁止へ 最近、特にIT分野で特 …
- PREV
- シリーズものの商標は、全部商標取得すべき?
- NEXT
- 2022年の振り返り