”若者×知財” 「TOKYO IP COLLECTION 2015」の開催
日本の特許制度(専売特許条例)の制定130周年を記念して、特許庁主催のイベントが開催されます。
その打ち出し方が面白い。
”若者×知財” 「TOKYO IP COLLECTION 2015」の開催
「若者×知財」という切り口は、これまであまり見ないというか、少なくともこれまでの特許庁らしくない感じ。
それも、知財× ではなく、若者× と、若者を主題に置いているところがいいですね。
”今後の日本経済を支える若者をメインターゲットとして、知財がいかに社会を支えているか体感できる、これまでにない新しいフォーラムです。”
とかく「○○周年記念」などというと、とりあえず偉い人を呼んで挨拶してもらって、という固いセレモニーになりがちなのですが、
130周年という、ある意味どーでもいいことを極力前面に出さず、知財にまだ馴染みが薄い若者を呼び込むためのクールなイベントにしようという意図が見えます。
開催趣旨はこんな感じ。
海外では近年、知的財産の戦略的活用による新たなビジネスモデルや権利行使の多様化をはじめ、知的財産を巡る環境が大きく変化しています。
そのような中、我が国では、知的財産を適切に管理しなかった結果、各事業分野の企業が高い技術力で数々のイノベーションを生み出しながらも、市場シェアを他企業に瞬時に奪われてしまったという分析結果も発表されています。
そうした状況をふまえ、若手のデザイナーや研究者等、知財を戦略的に活用する余地のある潜在ユーザーが楽しみながら、知財がいかに社会を支えているか体感できるフォーラムを開催します。
企画をしている中の人ともお話したのですが、比較的若く、アグレッシブな方々が主導していて、若い人が集まる面白いイベントにしたいという熱い思いを持っていて、素晴らしかったです。
こういうのは応援したくなりますね。
展示会は、「知的財産制度のこれまでとこれから」ということで、
様々な観点で知財が寄与してきた製品、MIRAIやコカコーラなどに関する展示がされます。
東芝の家電の歴史や、パイオニアのAR先端技術の展示もあるようです。
講演会のほうでは、MIRAIの開発責任者や、中村伊知哉さんなどが講演されます。
個人的には、IP Bridge社長の吉井重治さんの話が聞いてみたい。
入場無料で出入自由ですが、講演会を聴くには事前申し込みが必要ということです。
6/13,14の土日は、ぜひ東京国際フォーラムへ。
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