自分メディアとかセルフブランディングとか
先日の企業法務戦士さんとの対談の後に、ブログのあり方について色々と考えました。
戦士さんは10年近くブログを続けられて、企業法務戦士としての知名度も上がり、ブログの価値も高まっています。
企業法務戦士のような、専門分野に特化したものでなくとも、いくつものブログが、そのような高い影響力と発信力を持って存在しているわけです。
対談の後に、ちきりんさんの自分メディアに関する書籍を読んだのですが、ブログへの向き合い方が戦士さんと共通する点が多いなぁと思った次第です。
ブログの流行り廃り
戦士さんやちきりんさんなど、今著名な方の多くがブログをはじめたのは、2002年から2005年ごろですね。
ちょうどこの頃、ブログというものが流行りだしました。
当時は、何か情報発信をするというよりは、紙に書く日記の延長のようにプライベートなことを書く人が多かったように思いますし、コメント欄を通じてのコミュニケーションを楽しみにしていた人が主流だったように思います。
そして2005年ごろから、mixiが流行りtwitterが流行りFacebookが流行りと、SNSの流行に伴って、Web上の気軽なコミュニケーションがSNSへと移行していくにつれ、ブログは若干廃れたというか、過去の古い文化のような位置づけになっていきました。
しかし2010年を超えたあたりから、メディアとしてのブログの価値が再認識され、古くて新しいメディアであるブログが再評価されてきている。
そういう流れにあろうかと思います。
そして、こういう流れに左右されず、古くからブログを書き続けている人がいます。そういう人は、単なる日記やコミュニケーションの場ではなく、自分の見解を述べて残しておく場、情報発信の場としてブログを捉え続けていた人です。
それが、企業法務戦士さんだったり、ちきりんさんだったり、今ブロガーとして名を馳せている方々ですね。ぶれずに書き続けることが出来るのが素晴らしい。
ブログの目的
企業法務戦士とちきりんとで、共通しているなぁと思ったのは、ブログを書く目的です。
どちらも、何かを宣伝する目的だったり、むやみに有名になってやろうとか、ブログで稼ごうとか、そういう目的を持っていないし、またブログ上でなにかコミュニケーションを図りたいとか、そういう目的も持っていません。
ただ、良質な記事を書き続けていった結果、熱心な読者が増え、ファンが増え、口コミと検索で自然に広がっていった結果、ブログの知名度が上がっています。
これって素晴らしいことですよね。結果としての今のブログの状態には憧れるのですが、そこだけを追い求めて得られるものではないんですよね。
ブログのスタイル・キャラ
両者のブログのスタイルは全く異なるのですが、それぞれに特徴があります。
企業法務戦士の場合は、まるで論文のような文章の格調高さ。ここまで固い文体で書いているブログは、他にはあまりありません。
そして、企業法務戦士としてのキャラクター。これも本人は、ブログ名であってID等ではないと言っていましたが、やはり読者からすると「企業法務戦士さん」が書いているんだなぁと、分かりやすく受け取ります。
これがブログのアイコンなりシンボルであって、企業法務戦士というキャラクターがブログを通じて出来上がっているわけです。
一方のちきりんさんの場合は、とても読みやすい口語スタイルで、やはり少し文体に特徴があります。
そして「ちきりん」というキャラクターも育っていっていますし、末尾の「そんじゃーね。」は、ちきりんの記事であることを示すアイコンのような存在となっており、ブログを特徴つけています。
仮に同じことを書いているとしても、このブログのスタイルというものが読者を惹きつけますし、企業法務戦士なりちきりんなりが言っているという付加価値を持つことになります。
こういうのを、格好良く言うとセルフブランディングということになるのでしょうが、一朝一夕で狙ってできるものでもありません。
当ブログ
振り返って、私がブログを始めた理由は、
・自分がそのときの考えたことを残しておきたいと思ったこと
・特に専門分野で、役に立つ情報を発信できると思ったこと
・何か将来のために、自分の意見を発信できる場のようなものを持っておきたいと思ったこと
です。
企業法務戦士のような有名で専門的なブログに憧れがあったこともあると思います。
そして、折角だから、
・ブログは大きくしていきたい、アクセス数も増やしたい、
・広告収入もあったらいいな、
という気持ちもあります。
きっと、この折角だからという気持ちは、あくまでもサブに置いておかないと、これらがメインにに置き換わってしまわないようにしないといけないんですよね。
当初の目的の元、良質な記事を書き続けることで、良いブログとなっていって、自分メディアのようなものになれるんだろうと思います。
文体とかキャラクターとか、何か特徴のある所はいいなぁと思いますが、きっと変に意識せずに自然体で書き続けるのがいいんでしょうね。
なんてことを、ダラダラと考えました。
そんじゃーね。
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