大人になってから読むべき日本の純文学 ~お勧め小説10選~
2015/05/04
試験が終わった気分転換に、お勧めの小説を10個ほど紹介していきます。
私は子供の頃は大そうな読書好きだったのですが、大学に入ったくらいから専門書や他の娯楽に忙しく、トンと小説を読まなくなりました。
しかし大人になってから改めて小説を読み返すと、子供の頃は分からなかった本の魅力に気づかされて、改めて本にはまってしまいました。
昔はミステリーなどが好きだったのですが、大人になってみると、日本の純文学の素晴らしさがよく分かります。
そんな、大人になってから読み返したい、日本の純文学の名作を紹介します。
壁/安部公房
有名ですが意外と読まれていない、私の一番好きな作家さんです。
読めば読むほど味が出る。
まずはこの短編集から読んでもらいたいです。
夢十夜/夏目漱石
夏目漱石は非常に多才で、様々なテイストの作品を書いていますが、その中でも夢十夜は一段と際立って素晴らしいです。
こんな夢を見た。
この書き出しで、まさに夢の中のような、それでいて考え込まれたメタファーが効いている、素晴らしい作品です。
ゆっくり、時間をかけて読んでいきたい作品。
金閣寺/三島由紀夫
これを読まないと日本の小説を読んだことにならないくらい、素晴らしい日本文学の代表作です。
本当は豊饒の海をお勧めしたいのですが、長いので。。
万延元年のフットボール/大江健三郎
とにかく傑作です。
難解な大江健三郎の作品の中では、比較的読みやすい作品だろうと思います。
人間失格/太宰治
あまりに定番ですが、だからこそ大人になってからもう一度読み返したい名作。
太宰治本人の自伝のように書かれていますが、なぜか自分のことを書かれているように感じて引き込まれます。
高校生の時と大学生の時と、30を過ぎた時とで、受け方が違うように思います。
海と毒薬/遠藤周作
日本文学には宗教色の強い作品は多くないですが、
そんな中でキリスト教に非常に強い影響を受けている遠藤周作の、キリスト教と異なる世界での話。
海辺のカフカ/村上春樹
村上春樹を日本の純文学の中に入れると怒る人もいるかもしれませんが。
村上春樹にしては珍しく15歳の少年を主人公にしていますが、だからこそ、15歳の少年が読むよりは、大人になってから読むと心にひびく作品です。
檸檬/梶井基次郎
ここで紹介している他の作品に比べて、檸檬の名作さは伝わりにくいような気がするのですが、じっくり読んでみたい作品です。
眠れる美女/川端康成
日本の小説の中で、最もエロティックな作品だと思います。
三島由紀夫はこの作品を「官能の閉塞状態」と表現していますが、非常に的確な表現ですね。
短編が3つ収録されていますが、表題作はもちろん、「片腕」も非常に素晴らしい官能性です。
「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私の膝においた。
冒頭からぐっと引き込まれてしまいます。
いかがでしたか。海外純文学はこちらから。
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上下ベージュでサンダルのおじさんが、カーキのサファリハットを被って庭木のお手入れしている姿を見て「しぶ〜」なんて思ってしまう。