ドワンゴの採用受験料は、センター足きりのようなもの
ドワンゴさん、昨年に新卒採用の受験料徴収で様々な話題を呼び、行政指導にまで至りましたが、今年も受験料システムを採用するということです。
外野に負けて空気を読むことをせずに、貫き通すのはドワンゴらしいですね。私は応援します。
受験料という名前なので、大学受験の受験料に例えられることが多いですが、趣旨からすると、むしろセンター試験による足きりに近いと考えます。
大学受験の受験料は、試験を運用するための運用費であり、受験生を減らそうという目的は全くありません。
しかし、人気の高い国立大学だと、全ての受験生の答案を採点するのは難しい。そこで受験生を絞るために、センター試験で○○点以上の人のみに受験資格を与える。これがセンター足きりです。
足きりの目的は受験生を絞ることであって、一定以上の「学力」がある人に絞りたいため、「センター試験」という手段を用いる。
ドワンゴの受験料も、目的は「やる気」のある受験生に数を絞るため。(採用の運営費目的は凄く小さいはず)
そこで何らかの手段を使って受験生の数を絞りたいのですが、通常の企業であれば例えば、ペーパー試験を導入したり、学歴フィルタを使ったり、という手段で一定以上の「学力」や「学歴」がある人に絞るのが普通、というか無難。
しかし、ドワンゴはそんな基準で受験生を絞りたくなく、「やる気」を図る手段として、「受験料」を課してみたということです。
他の足きり手段に比べて、えらく容易で低いハードルのように思えますが、そんなハードルすら越えないような志望度の低い受験生が多くいたということでしょう。
「やる気」を図る指針として「お金」という手段を選ぶのは、ちょっと怠慢な気もしますが、まあ最低限のハードルを課すという意味では一番簡易な手段なんでしょう。
一定のハードルであれば、何でも構わない、一番簡単な「お金」を選んだというだけの話。
「お金」という手段を採用したことによって、全ての企業が同システムを採用したら就活生の負担が増えるという論点が出てきますが、地方の方への配慮もしているし、本当にその企業での採用を望むなら、他の就活準備に比べても大きな負担ではないように思います。
今回は実負担費用の6000円を折半していて、寄付もしないということですが、単に行政指導で指摘された法的問題をクリアするためのもので、昨年から趣旨に変更はなさそうです。
また多くの反論意見が出るでしょうし、就活生の過大な負担や苦労もよく分かるので、感情論も入りセンシティブな話ですが、合理的なやり方だと思います。企業の人気があるうちにおいては。
がんばれ、ドワンゴ。
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