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弁理士試験勉強を始めるのに必要な教材と勉強法

      2015/02/11

弁理士試験では、知財法の体系的な知識と試験のノウハウが求められるため、市販の書籍のみで独学というのは非常に困難です。

そのため、一般的にはLECのような資格予備校を用い、通信・通学の選択肢はあれど、予備校教材を用いて、予備校カリキュラムに沿って勉強していきます。

この予備校で概ねの勉強道具は揃うのですが、一部は、自分で用意する必要があります。
しかし、「さあ、弁理士試験の勉強を始めるぞー」というときに、何を揃えていいものかよく分かりません。(私もそうでした)


そこで、予備校教材以外に、自分で揃える必要のある勉強道具一覧を紹介します。

勉強

法文集

まずは一番の基本となる法文集から。

様々な教材がありますが、何と言っても一番重要なのは条文です。弁理士試験勉強の間、私が一番長い時間見ていたものも、この条文集でした。


基本法令集 

知財関連の法令集は、いくつかの出版社から出ていますが、PATECH企画出版部が出しているこの法令集が、一番見やすく、受験生の間では人気です。

オーソドックスなタイプのこの法令集は、必ず買っておきましょう。発明協会のものでもOKです。

最新のものを買ってくださいね。


四法対照 法文集 

続いて重要なのが、四法対照タイプの法令集。

実用新案、意匠、商標法では、特許法の準用が多く、また対比して理解すべき条文も多いため、特に短答対策としては四法対照タイプの法令集が重要です。こちらのタイプは隙間が多いため、そこにたくさん書き込むことができます。

上記のオーソドックスなタイプと併用します。


論文試験用 法文集

法文集がいきなり3つも並んで、なんだそれはと思うかもしれませんが、はい、3つ必要です。

本番の論文試験では、専用の法令集が貸与されます。
それを見ながら答案を書いていくことができるのですが、まあそれが見にくい見にくい。

予めどういう形式なのか、どこにどの法律があるのか、慣れておく必要があります。

そこで、貸与されるものと同じ形式の、この法令集を、論文の答練や模試の際には使うようにしましょう。
論文用は、必要なタイミングで買えばOKです。

 

なお、これらの法令集は紙の本として携帯することになりますが、自宅で調べる場合は電子版も便利。
最近はメモ機能が付いたアプリ版も無料で提供されているので、要チェックです。
 

過去問集

続いて重要になるのが、過去問集です。
まずは実際の本試験でどのような問題が出るのか、イメージを持っていないと、どのような勉強をしていいのかもピンと来ません。


短答試験 過去問集

特に短答試験の過去問は、本番までに10回は回せと言われたりしますので、自分の勉強スケジュールに合わせて、用意する必要があります。

通常は、入門講座が終わるくらいのタイミングから回し始めますが、勉強を始める前にざっと雰囲気くらいは見ておいたほうがいいですね。

 

論文試験 過去門集

論文試験の過去門は、答練でもやったりしますので、自分で先行して進める必要性は少ないですが、本番でどのような問題が出るか確認しておくことは有用です。


口述試験 過去問集

口述試験は、論文試験が終わってからですね。

 

判例集

判例集も、自分で揃えておく必要がある重要な勉強道具です。

色々出ていますが、いくつか買って使った結果、私はこれが一番好きでした。

なお、判例の「勉強」をするのに判例集を使うのはお勧めしません。
事案や背景や考え方と共に理解する必要があるので、最初のインプットと理解は、入門講座その他の、しっかりしたもので勉強する必要があります。

判例集は、その判例の重要なキーワード等の「復習」用です。

 

基本書

弁理士試験の勉強をする上で、「基本書」と呼ばれる類のものがあります。

受験生なら誰もが避けられない、必読の本であると言われて「いた」のですが、最近はそうでもありません。

読んだほうがいいのは間違いないですけどね。


逐条解説

いわゆる青本と呼ばれるもので、基本書の中の基本書。口述対策でも必須と言われるので、さすがにこれは買っておいたほうがいいかも。

最近はネットで電子版を見ることもできます。

 

産業財産権法の解説(改正本)

知財法改正のたびに、特許法から出される解説本です。通称「改正本」。

改正の趣旨や背景について詳しく書かれており、これが意外と論文試験で重要になります。
一読はしておきたいですね。

これもネットから見れるはず。

 

筆記用具

筆記用具もお勧めのものを紹介しておきます。

4色ボールペン

 

勉強をしながらテキスト等に書き込む人は多いと思います。私はテキストへの書き込みは好きじゃなくて、ノートを取るのも嫌いなので、ほとんど勉強中に何かメモを取ることはないのですが、
法令集だけは別です。

特に四法対照型の法令集には、どんどん情報を詰め込んでいく必要があります。

私は、但し書きや例外には赤で、
~できる系規定は緑で、
~しなければならない系は青で、
括弧書きはピンクで、
重要な部分はオレンジで、
といった感じで色を使い分けて条文にマーカーを惹いていました。

この時に、4色ボールペンが便利です。

書きやすいボールペン

本番の論文試験はボールペンか万年筆で記入する必要があります。そして特に最近は時間が足りなくなるような試験問題が多いため、とにかく「早く書ける」ことが重要。

安いボールペンや、かっこいいボールペンではなく、とにかく書きやすいボールペンを選ぶことが重要です。

私はALESSIのボールペンの中に、ジェットストリームの中身を入れて使ってました。

 

あとは、メインの教材として、当然予備校のテキストや答練等を使ってください。

 - 弁理士

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