インターデジタルとサムスンの特許ライセンス契約 パテントトロール対策
2014/08/21
気になったニュースを2つ。
1つは、パテントトロール対策の新しいツールを紹介しているこちらの記事。
A New Tool in the Battle Against Patent Trolls: Shame
特に興味深いのは、本記事で紹介している
TrollingEffects
というサイト。
TrollingEffectsとは、というページは
”The patent system is broken.”
という一文から始まります。
とにかくトロールに関する情報を共有して助け合おう、
という趣旨だと思いますが、
生のレターをこれだけ見れるのは勉強になりそうです。
Lettersの所から、見てみてください。
もう一つのニュースは、
インターデジタルとサムスンのライセンス契約締結の話。
Samsung Inks $500M Wireless Patent Deal With InterDigital
$500Mというのは、あまりに巨額ですね。
同じ通信の標準特許に関する係争ですが、
日本における先日のアップル対サムスンの知財高裁では、
1,000万円足らず。
桁がいくつ違うか、数えるのも大変。
インターデジタルは、パテントトロールの代表的存在だと認識していますが、
(違うという人がいたらすみません)
こういう事例が他企業でも続くようでは、
1つめのニュースのような対策はまだまだ盛り上がるでしょうし、
パテントトロール対策のビジネスも儲かるでしょうね。
ところで、今回のインターデジタルの特許は、
3GやLTEに関する標準特許。
先日の知財高裁大合議判決は、
標準特許の弱い一面が際立っていましたが、
当たり前ですが今回のような使い方だと、非常に脅威ですね。
つまり、サムスン等メーカーは、標準団体に対して、
IPRポリシーに則ったFRAND宣言をしないとやっていけないが、
トロールにそんな義務はない。
そしてFRAND宣言がされていない特許権は、
標準規格を実施している全てのメーカーに猛威を振るう。
”The patent system is broken.”
その通りかもしれませんね。
今後日本にも同じ流れが来るでしょうか。
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