Aereo事件の日本への影響はいかに? インターネットテレビとクラウドサービス
2014/08/21
ネットユーザー向けにテレビ番組をストリーミングするサービスを提供している、
米ベンチャー企業のAereoとテレビ局との訴訟が、
米国最高裁判所で審理されています。
クラウドも巻き込むTVストリーミングのAereo 最高裁でテレビ局と対決
ヒアリング全文も公開されています。
米国での過去の判決の流れを見ていると、
個人的には、Aereo側が勝訴するような気がしています。
※米国の過去の判決
・Cablevision事件:参考サイト
・Sony VTR事件:参考サイト
Aereoは、著作権違反にならないように上手く工夫されたビジネスモデルであって、
それを違法としてしまうと、クラウドサービス全般も違法に巻き込んでしまいかねない、
判事もその点を気にしている、と言われています。
一方では、日本では類似のサービスの争いについて、
基本的にテレビ局側が勝訴してきています。
※日本の過去の判決
・まねきTV事件:参考サイト
・ロクラクⅡ事件: 参考サイト
・録画ネット事件:参考サイト
・選撮見録事件:参考サイト
米国の最新の最高裁判決でAereoが勝訴することになれば、
日本における判断にも影響するのでは?
・・と思ったりしますが、
まぁ、直ちに影響はないでしょうね。
日本と米国とでは法体系も法律も違えば、
テレビに関するビジネス形態も大きく違います。
日米の比較
それでも、少しずつ雰囲気が変わっていけばいいな、
というのがユーザ視点からの希望です。
テレビコンテンツのネット配信系は、
お行儀の良いサービスばかりで、
結局海賊版サイトが最強、ということになってしまっています。
海賊版サイトを撲滅するには、
技術でも法律でもなく、サービスとして、
海賊版よりも便利で高品質で、利用無料のサービスを提供するしかない、
というのが現在の持論です。
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