NECによるLenovoへの特許売却、1億ドルは決して高くない。
2014/08/21
Lenovoが、NECの保持している携帯関連特許3800件を買収しました。
プレスリリースによると、中には3GおよびLTEのモバイル技術だけでなく、
スマートフォンなどの先進的なモバイル製品の多くに使用される機能や技術を幅広くカバーする中核特許も含まれているとのこと。
スマートフォンなどの先進的なモバイル製品の多くに使用される機能や技術を幅広くカバーする中核特許も含まれているとのこと。
2013年にNEC がLenovoへスマートフォン事業を売却するとの噂もあったようですが、
事業売却ではなく特許売却で落ち着いたようですね。
事業売却ではなく特許売却で落ち着いたようですね。
スマホ事業もほぼ撤退しているので、特許売却の形で最後のマネタイズが図れるのは、
NECにとっても悪くない取引だったのでしょう。
NECにとっても悪くない取引だったのでしょう。
しかし、その取引価格はどうだったのでしょう。
正式には公開されて いませんが、
一部の報道機関によると1億ドル(約100億円)程度とされています。
一部の報道機関によると1億ドル(約100億円)程度とされています。
1億ドルというと非常に高額に見えますが、
1件当たり260万円程度の計算になります。
先日の記事で、「特許の1件当たり取引価格は、平均20万ドル程度」らしいと書きましたが、
それと照らし合わせると、1件当たりの価格は低めですね。
過去の公開されている特許取引事例を見ても、
日本企業が特許を売るときには、どうも買い叩かれているようなイメージがあります。
特許1件当たりの価格が一桁違います。
特許1件当たりの価格が一桁違います。
改めて思いますが、
特許ほど、所有する企業や欲しい企業によって価値が相対的に変わる資産は、
なかなか他には無いですよね。
なかなか他には無いですよね。
その上で、特許訴訟が圧倒的に少ない日本の中では、
特許の資産価値は相対的に低くなっていることが、
日本の知財業界で働く人間としては気がかりです。
ところで、Lenovoに関しては、2014年1月にGoogleからモトローラを買収したばかりです。
その際には、事業を買収した上で、Googleから知財のライセンス提供を受ける契約になっていたと思いますが、
今回の特許権取得によって、そのライセンス契約にも影響が出るのか、気になります。
その際には、事業を買収した上で、Googleから知財のライセンス提供を受ける契約になっていたと思いますが、
今回の特許権取得によって、そのライセンス契約にも影響が出るのか、気になります。
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