社会人が働きながら公認会計士試験に合格するための勉強法(基本編)
2015/05/04
「公認会計士」「社会人」「働きながら」
といったワードが上位に挙がります。
以前の合格体験記がヒットしているようですが、
これはあくまでもLEC用だったので、
実体的に役に立つような記事を書いておこうと思います。
まずは基本編ということで、
社会人に限らず共通する、基本的な知識の点から。
試験合格も含めた全体的な要件について、説明します。
特に社会人の方は、試験合格後の諸々の要件をクリアできるのか、
心配しているのではないかと思います。
公認会計士として登録を受けるためには、下記4つの要件を満たす必要があります。
①公認会計士試験合格
②実務要件2年間
③補習所通学(原則3年間)
④修了考査合格
①公認会計士試験合格
当然ながら、最初のハードルにして最難関が、
①の試験合格です。
公認会計士試験は、短答試験と論文試験からなります。
短答試験は年2回、
財務会計、管理会計+監査論、企業法の4科目(3コマ)です。
論文試験は年1回、
会計学(財務+管理)、監査論、企業法、租税法、選択科目の6科目(5コマ)です。
結構に大変な試験なのですが、
ここについては、次回に詳細を説明しようと思います。
ちなみに①の試験合格だけを満たして、
②~④のいずれかを満たさない場合、
昔の制度では「公認会計士補」という肩書があったのですが、
現在の制度では特段の肩書は得られません。
どうしても何か名詞に肩書を書きたい場合は、
「公認会計士試験合格者」ということになります。
または、試験合格でもって、公認会計士協会に準会員として登録ができるため(会費が発生しますが)、
「日本公認会計士協会準会員」と名乗ることも可能です。
ちょっと微妙ですね。
②実務要件2年間
も、社会人としては気になる所でしょう。
通常、会計士試験に合格した人は、実務要件をクリアするために、
監査法人に勤務することが多いです。
実務経験(業務補助等)には、「(監査)業務補助」と「実務従事」があり、
公認会計士の登録をするためには、2年以上の実務経験(業務補助等)が必要です
しかし、数年前に実務要件は緩和化されており、
一般事業会社における財務業務や、コンサルティングファームにおける財務分析(実務従事)であっても、要件をクリアできます。
私もコンサル経験で本要件をクリアできたわけですが、
要件チェックとしては、結構優しい、という心証です。
監査法人に転職する予定の無い受験生は、
あらかじめ要件を満たし得るか、よく確認したほうが良いですね。
業務補助等証明書の書き方などは、また後日まとめようと思います。
詳細はこちら
③補習所通学(原則3年間)
これが、試験合格後に結構面倒な要件となります。
基本的には監査実務のための修習内容となりますので、
監査業務に従事する予定の無い人にとっては、辛いものとなります。
原則3年間ですが、上記②の実務要件をクリアしていると、
1年か2年に短縮することができます。短縮年限は選択可能です。
1年に短縮して、大丈夫なのか?と心配になりますが、
定常的に土曜日に仕事が入る激務な方でなければ、大丈夫でしょう。
土曜日コースを取れば、基本は土曜の講義とeラーニングのみで、
全ての単位を取得することが可能です。
講義を270単位(時間)以上、
考査(定期テスト的なもの)を10回、
レポートを6回、
というのが満たすべき内容です。
④修了考査合格
最終年次の1月に、修了考査という最後の罰ゲームを受けることになります。
合格率は70%程度で、まじめに対策をすれば問題ない試験でしょう。
多くの方は、予備校の教材で対策勉強をすることになります。
以上、監査法人に転職する意思がない人にとっても、
一応の財務に関する業務経験があり、
少なくとも土曜日の時間が確保出来さえすれば、
試験合格後、最短1年で、晴れて公認会計士に登録することができるわけです。
合格者のほとんどは、学生さんなど社会人経験が無い方で、監査法人に勤めるのですが、
私のいる土曜日コースでは、半分程度が監査法人以外の勤務、
一般事業会社やコンサルの方などです。
監査という公認会計士の専権業務をする予定がなくとも、
公認会計士試験は会計全般の勉強に有用ですし、
会計のプロフェッショナルという肩書は他になかなか無いので、
対外的にも取る価値がある資格だと思います。
というわけで、
次回は試験合格のための、予備校選びや勉強方針などについて、
説明していきます。
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はじめまして。
現在、監査法人で働いていまして、
コンサルティング会社への転職を検討しており、実務従事の用件について詳しくお話を伺えればと思います。
良ければご連絡ください。