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黒子のバスケ問題から考える、社会の脆弱性と教育

      2014/08/21

社会(特にビッグサイトらへん)を騒がせていた黒子のバスケ事件、
ようやく犯人が捕まりましたね。

どうやら模倣犯や複数犯ではないようで、これで一安心でしょうか。
いちマンガファンとしては嬉しいですし、本当に警察の方々がよくやってくれたと、また作者も集英社もよく頑張り続けてくれたと思います。


この事件を通じて大きな印象を残すのは2つ。


1つは、作者も集英社も、よく頑張り続けたなと。

各種イベント会場や、ツタヤ、コンビニ、書店が脅迫され、多くの団体は仕方がなく自粛を決めました。
そんな中で作者はよく心が折れずに製作を続けたし、特に集英社が連載を続けた判断は素晴らしいと思う。
私たちマンガファンは、応援し続けることしかできないのですが、きっと多くの立場の人から連載を打ち切るべきという意見が出たでしょう。

それを、脅迫に屈することなく、連載を続けた集英社の担当者さんには、感謝・称賛いたします。

1つの事件としては、これで幕を閉じたでしょう。本当に良かった。



さて、もう一つの強い印象は、
この高度に洗練されたはずの文化社会の脆弱性です。

たった一人の悪意を持った人が、稚拙な犯行を企てるだけで、
これだけの影響を社会に及ぼしてしまう。
高度な情報社会・治安国家にいるはずなのに、
なんと脆弱なことかと。

今回は作者と集英社の頑張り、そしてもちろん警察の働きにより、
致命的なことには至らずにすみましたが、対策はしっかり考えていかないといけない。


対策ですが、大きく3つの方向性があるでしょう。
・治安・情報監視力を高める
・犯行に屈しない社会意識
・教育

1点目は、必ずしも多くの国民が望むものではないかもしれません。
2点目は、本当に悲惨な事件が起きる可能性も考えると、強くは言えない。
時間がかかるし効果も見えにくいけど、やっぱり3点目、教育ですよね。


ところで、このような犯罪防止のための教育を考える場合、
日本の教育から抜けているんじゃないかと思うのが、宗教です。

宗教というと、どうしても多くの日本人が抵抗を感じるでしょう。
でも海外文学なんかを見てみると、いかに宗教というのが海外の方の身近で依るべきものになっているか、考えの支えとなっているか、よく分かります。

日本人で、どの宗教も信じない、無神教だという人も多いですが、
多分、本当はそうじゃない。
例えば、お天道様が見ている、とか、いただきますとごちそう様とか。
死者やお墓は大事にしますし、高齢者には敬意を示す。
こういうのは自然な価値観ですが、とても宗教的な何かだと思います。

仏教とかキリスト教とか新道とか、特定の宗派ではなく、
日本人が共有している価値観というのがあると思います。

これってきっと、他の国における宗教と同じような大切なものですが、
うまく言語化されず、論理体系化されていません。
これを宗教と呼んでも道徳と呼んでも、国民性でも民度でも構わないのですが、
上手く体系化して教育されると、自然と犯罪が減るんじゃないかと、
あまり今回の事件と関係がない話になりましたが、思います。


 

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