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ダブルライセンスの可能性

      2014/09/26

本日、LECで講演をしてきました。

知財と会計で切り開く知的財産フロンティア」という、ちょっとよく分からないお題だったのですが、それなりに人も入って、アンケートの満足度も高めだったようで良かったです。

いくつか話のテーマを用意して、その場のアンケートで話すテーマを決めたので、用意だけしたけど話さないテーマもありました。
その中で、ダブルライセンスについては是非聞きたかったーという声がいくつかありましたので、ここで簡単に書いておこうと思います。

 

ダブルライセンスの可能性

私は弁理士と会計士のダブルライセンスを有しているのですが、これは初めから狙っていったというよりは、必要性に迫られて勉強していった結果そうなった、というほうが正しいです。
それでも、一応二つの専門性があるというのは、役に立つ場面が多いのは事実です。

弁理士は知的財産の専門家ですが、これまで色々と仕事をしてきた中で、「知的財産という分野が狭すぎるな」と感じるときと、「知的財産という分野が広すぎるな」と感じる時があります。

前者は、特に知財以外の方と話すとき、事業の責任者だったり、経営陣だったり、開発者だったり。
その時に、知財の視点からのみ話しては、なかなか会話が噛み合わない。
また、知財だけの専門家だと思われると、仕事の範囲が狭くなってしまう。

後者は、自分の専門性を考えるとき。
知財の専門家なんて数えきれないほど多く、「この分野では誰にも負けない」という分野を設定するには、知財は広すぎます。
知財の中の、この分野なら誰にも負けない、という何かを持つようにしたい。

専門性の拡大と集中

そういう時にダブルライセンスは、自分の専門性の「拡大」と「集中」を図ることができます。

「拡大と集中」というのは一見変な言葉で、通常は「選択と集中」です。
事業戦略などを考えるときに、重要ないくつかの領域を「選択」し、それに「集中」する。

しかし、スキルアップを考えるときには逆で、「拡大と集中」が成立します。

専門性の拡大と集中

例えば弁理士の専門領域は「知財」ですが、それに加えて「会計」という専門領域を持つとする。
そうすると、まず専門領域は「拡大」し、対応できる仕事の幅も広がっていきます。

また専門領域が拡大した結果、知財と会計が重なる部分ができるはずで、その重なっている部分には専門性が「集中」している。
知財と会計が重なる部分については、誰にも負けないという深い専門性ができることになります。

これが、複数の専門領域を作ることに対する私の考え方です。

I字型、T字型、π字型人材

もう一つの視点から。
π字型人材という言葉をご存知でしょうか?私は最近知りました。

I字型人材は、例えば知財という専門性のみを深く掘り下げた人材。スペシャリストとか専門家とか呼ばれます。
一方で一般スキル・汎用スキルのみを広い領域で持つ人材を、ジェネラリストとか呼んだりします。
そして、深い専門性を持ちながら、一般スキルも有する人材のことをT字型人材と呼んでいて、理想的な人材像だと言われてきました。

私が特許庁に入ってすぐに、国家一種公務員を集めた合宿があり、当時の小泉首相からの有難い言葉がありました。
「昔の公務員には、ジェネラリストが求められていた。しかし今は民間に負けない専門性を身につける必要がある。だが、専門性だけでも駄目だ。ジェネラリストであり、スペシャリストでなければならない。」
印象的な内容だったので、今でもよく覚えていますが、つまりはT字型人材を目指せ、ということですね。

π字人材

そして、T字型人材に、さらにもう一つの専門性を加えたのがπ字型人材ということになります。
この場合だと、一般スキルに、知財の専門性に加えて、会計の専門性も深く掘り下げるので、その見た目からπ字ということです。

なんだか変な感じで、縦の専門性をどんどん増やせばいいのか?という感じではありますが。
ただここで重要だと思うのは、知財と会計という2つの専門性を持つと、その間の部分にも薄い専門性が付いてくるということ。

仮にこの面積を増やすことが能力の総合力を高めることだとすると、一般スキルを深くするとか、専門スキルを広くするよりも、複数の専門性を繋げるという増やし方が、もっとも効率的なように思います。

 

告知

最後に告知です。講演の時に言えなかったので。
私の弁理士受験生時代のゼミのリーダーが、LECの講師をやっています。

mizusaki水崎慎LEC専任講師

短答試験に注力した入門講義を9/14から開講するそうです。

また、説明会やガイダンスも開いているようで、直近だと8/31(日)でしょうか。

今日の講演でも話したのですが、私が弁理士試験の勉強を楽しく続けられたのは、ゼミの存在が大きくて、水崎さんは当時のゼミのリーダーだった人です。とても面倒見がよくて、カッコいいので、弁理士講座の受講を悩んでいる人は、是非ガイダンスに行ってみてください。

 - 弁理士

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Comment

  1. Blue hawaii より:

    はじめまして、Blue Hawaiiと申します。

    私は、理系出身です。先生の話には共感するところがたくさんあります。

    私もダブルライセンスを目指しましたが、技術系の資格は比較的ダブルライセンスは容易です。それは、基礎が物理、化学、数学、生物といずれも重複しているためです。

    それではと、文系ライセンスにできるだけ手を広げています。知財2級、簿記2級、FP2級(挑戦中)。

    気づくと、資格マニアになってました。(爆)

    これって・・・、大丈夫でしょうか??

    • shiro ataka より:

      こんにちは。コメントありがとうございます。

      資格マニアなんて揶揄されることもありますが、
      資格の取得自体がゴールに置き換わっていなければ、なんら問題があることではないと思っています。

      将来像をしっかり描いて、その手段として勉強出来たらいいですよね。

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