IPFbiz

知財・ 会計・ビジネスニュース

知財テック(IPTech)について

   

先日、リーガルテックマップなるものを見つけました。

なるほど、分かりやすいですね。

近年、○○Techという言葉がはやっていて、各分野にテクノロジーを用いた新しいサービスが生まれています。リーガルテックもその一つで、上記のマップに登場するような新しい企業・サービスが登場して、業界を盛り上げています。
ここでは、リーガルテックの中に、ToreruやCotoboxなど商標系のサービスも含まれています。

こういう流れを見ると、リーガルテックという動きが近年出始めていて、その一環として知財系でもテクノロジーを生かしたサービスもいくつか登場している、というように見えます。

しかし、知財業界にそれなりに古くからいる私からすると、こういう見え方には異を唱えざるをえません。

「最新のテクノロジーを駆使した知財系のサービスなんてものは、何十年も前から多数存在しているんだ」と。

 

最近、裁判手続きの電子化がようやく議論されているようですが、日本の特許庁は1990年には世界に先駆けて電子出願の受付を開始しています。
1996年にはインターネットによる民間の特許検索サービスが登場し、以来、自然言語処理を用いた自然文での類似特許検索や、テキストマイニングを用いた特許分析、様々な統計手法を用いた特許分析の可視化、SaaSでの特許管理サービスなどが早い段階から登場しています。

ビッグデータなんて言葉がはやる何年も前から、何万件という大量の特許を分析する試みがなされていました。
もちろん、AI(機械学習)を用いた新しいサービスも数年前からいくつか出ています。

知財系のツールは大きく「検索」「管理」「分析」の3種類があり、大企業ではそれぞれのツールを導入して業務を効率化しています。多くのベンダーが工夫を凝らしたツールを開発していて、それらは特許情報フェアという知財系サービスの展示会で見る事もできます。

元々、知財業界とテクノロジーは、分野としても人としても相性がよくて、古くから最新のテクノロジーを駆使した知財系のサービスは開発されてきました。

 

はっきり言って、リーガルテックなんて出遅れていて、知財系のテックサービス(IPTechと呼びたい)は、もっとずっと前からたくさんあったんだ、と。

 

・・・なんていうのは、知財業界のちんけなプライドですね。

世の中的には全くそのようには受け取られていません。やっぱり最近のリーガルテックサービスは、ニッチな知財サービスとは異なる勢いがあります。ビジネス設計や見せ方は見習わないといけない。
また、知財業界でも、最近登場したTreruのような一般向けのサービスは、これまでの専門家向けサービスとは異なり、広い範囲に影響を与えて実績も出しています。
IP Samuraiのような、これまで無かった分野のサービスも登場してきています。

きっと今後も、AI系の技術の急速な発展によって、これまでとは違うスピード感と影響規模で、それこそ専門家を不要ともしうるような影響力で、新しいサービスが登場してくるでしょう。

こういう、新時代のIPtechサービスについては、感度を上げて、積極的に使っていきたいと思います。

(本当は自分なりのIPTechマップを作ろうと思いましたが、力尽きたのでまた今度)

 

 - 特許

ad

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

法制度改正と特許出願(技術書典)

技術書典(エンジニアのコミケ)に、技術と法律チームで出展して、薄い本を出します。 …

アップル対サムスン特許訴訟 知財高裁大合議事件

日本における、アップルとサムスンの特許訴訟、注目されていた知財高裁の判決・決定が …

特許のスコアリング・指標 ~特許の質評価・分析~

特許の評価(価値評価)と言う時、大きくは定性評価と定量評価に分かれ、定量評価の中 …

今年の振り返りと来年の展望 ~会社を退職して独立開業します!~

今年も「法務系 Advent Calendar」に参加させていただきました!法務 …

特許の誤解 (上級編)

初級編に続いて、よく聞く特許の誤解の上級編です。   他社の拒絶された …

no image
パテントトロールの実態調査レポート

AIA (America Invents Act)の指令で作成された、米国におけ …

中国、知財訴訟の損害賠償額を増額へ

先日の記事でも書いたように、知的財産戦略本部にて「知財紛争処理システムの活性化」 …

3i研究会 中間報告

今日は、野崎さんのご招待で、3i研究会の中間報告会に参加してきました。3i研究会 …

パテントトロールは悪か? ~特許の適正価値とアービトラージ~

これまでこのブログでも、パテントトロール関連の記事をよく取り上げてきましたが、業 …

STAP細胞、特許審査へ 登録の可能性は

STAP細胞の特許出願、いずれ取り下げられるか、少なくとも国内移行はされないだろ …