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画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park) 使い方と感想

   

本日から、意匠の画像検索ツールがリリースされています。

画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)」という名称です。

 

仕様としては非常に簡便で面白く、検索したい対象の画像ファイルをアップロードして検索すると、イメージマッチングにより、類似度が高い順に意匠公報が表示されます。

GS1

Googleの画像検索に近いですね。

オリンピックエンブレムの件により、画像のパクリ・盗用に関して世間がセンシティブになっている今、Googleの画像検索に注目が集まっているように感じています。新しいデザインを公表する前に、画像検索をして、近いものが無いか確認しましょうと。

それをするついでに、このツールを使って意匠の調査までしておけば完璧ですね。

本ツールは、日立さんによる開発のようです。

使ってみる

試しに、Googleマップのアイコンロゴを検索してみます。
(これ、意匠登録されているんですよね。)


アップロードするファイルは、実際のGoogleマップのアイコンロゴ。画像ファイルを適当に拾ってきます。

Googlemap


ちなみに、普通に出願人名グーグルで調べても、該当の意匠はヒットします。これが画像検索でもちゃんとヒットするかどうか。

グーグル意匠マップ

トップの検索画面から、「ファイルから選択」で画像をアップロードして「結果を表示」をクリックすると・・・

G1

 

こんな感じで検索結果が。バッチリですね。

G2

2位以降にヒットしているものも、まあ確かに似ているような気もする。

 

ちなみに、本ツールの検索対象となるのは画像デザインのみ。例えば、Googleグラスの画像検索をしてみても、ヒットしません。
精度の問題はあるでしょうけど、せっかくだから使えたらいいのにと思います。

 

検索の設定

モードを選択することもできるので、上手くヒットしない場合は試行錯誤できます。


・標準モードは、「形」と「色」を総合的にみて、画像同士が近いかどうかを評価します。

・形モードは、「形」のみに着目して、画像同士が近いかどうかを評価します。「色」が異なる場合でも「形」が近いものが上位に表示されます。

・色モードは、「色」のみに着目して、画像同士が近いかどうかを評価します。「形」が異なる場合でも「色」が近いものが上位に表示されます。

・標準+90°モードは、「標準」モードに加え、画像が左右90°回転したものについても上位に表示されます。

・単一部品モードは、画像のうち特徴的な図形(構成部品)を入力として、その構成部品を含んでいるものが上位に表示されます。

・複数部品モードは、複数の構成部品を含む画像を入力し、その構成部品が任意の場所に含まれる画像が上位に表示されます。

 


意匠分類が分かる人は、分類で絞り込むと精度が上がるでしょう。
分類に馴染みが無い人は、物品でも絞り込み出来ますが、こちらは知識が無いなら下手に入力しないほうがいいかも。
スマートフォンとか入れてもろくにヒットしないですからね。


なお、画像ファイルをアップロードしての検索となるため、未公開資料の調査をする際には、会社のセキュリティ部門に一応の確認を取ったほうがいいかもしれません。

 

画像デザインの保護拡充

ちなみにこのツールが出てきた背景としては、画像デザインの意匠保護範囲拡充の議論があります。

現在、限定的に意匠の保護範囲になっている画像デザインを、もう少し拡充しましょうということ。

保護範囲が広がるというのは良いことばかりでなく、新しいデザインをリリースするときに、現状は気にしなくていいような画像デザインの業界まで、しっかり意匠の調査をしないといけない。調査負担が大きくなると。

その調査負担を軽減するために、じゃあイメージマッチングを利用した画像検索ツールを無料で公開しましょうという流れでした。


元々は法改正による保護範囲の拡充が議論されていましたが、今は審査基準を改訂することで広げましょうという話になっています。
他の記事でもちょいちょい書いていますが、私はこれに対してはちょっと疑問です。例えば、上記のGoogleマップの意匠の権利範囲って、どう整理されるんでしょうか(物品は携帯情報端末)。


とはいえ、このような便利なツールが無償開放されるのは良いことですね。使いやすくて面白いので、皆さんも使ってみてください。

 - 意匠・商標

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