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知財監査 IP Audit

      2014/08/21

海外のニュースで「IP Audit」という言葉をたまに見ます。
 
日本語で言うと知財監査。

 

しかし、”知財監査”、”知的財産監査”で検索しても、
ほとんど合致したものはヒットしません。

 

“IP Audit”,”Intellectual property audit”で検索すると、
ヒット件数は3千万件ほど、多様なページが見られます。



IP Auditの例やチェックシート、各サービスの紹介など、WIPOが出しているページもあり、海外では、結構認知されているようです。


そんなIP Audit、「知財監査」の内容はざっくり言えば、
知的資産と知財リスクの洗い出し

 

まず、自社の知財を洗い出して、可能な限り定量化・可視化する。もちろん特許に限らず、知財権に、著作権、ライセンス契約やノウハウなども。そして、知財に関するリスクも洗い出して、リスク管理を行う。
 

 

結果物としてのレポートに含まれるのは、
・知的資産のカタログ
・それらの経済的利用計画
・知的資産の維持計画、補強すべき領域の確認
・知財に関する欠陥(リスク)
・取るべき行動
など



主な目的は、知財の強み弱みや知財リスクを可視化して、経営層やステークホルダーに伝えること。その先にあるのは、知財の収益を最大化し、知財リスクを最小化すること。
 
“If you don’t measure it, you can’t manage it”.

 


しかし、これってある意味、とても当たり前のことで、
日本企業でも知財部署でなんとなくは実施しているでしょう。

 

ただ、それをIP Auditというフレームで括って、それを定期的に、システム的に、あるいは外部の知見も得ながら客観的に実施して、投資家に公開したり、経営層に示したりする。

 

そこまでがっつりやることは、日本企業では少ないかもしれません。



それは例えば会計監査のような。
会計処理に関する会社内でのチェック・評価という内部統制が働くことは当然なのですが、それに加えて、外部の第三者による監査がされ、公開される。

 

法定監査のみならず、様々な場面で自主的な監査ニーズが広がっているように思いますが、知財監査というスキームも、今後日本で広がっていくとすれば、弁理士・会計士といった職業的専門家にとって、新しい業務になり得るのかなと思いました。




知財の状況を外部に公開するという意味では、
知的財産報告書や知的資産経営報告書があります。

 

しかし、知的資産経営報告書は一部の地域の中小企業のみがたまに作成するものとして廃れていっているように思いますし、知的財産報告書は一部の大企業がお付き合いとして作成を続けていて、若干形骸化しているように思います。(もちろん、良い報告書もありますが)

 

日本において、投資家に響くような知財情報を提供するのは難しいのかもしれませんし、それを法定化するようなものでは全くないと思いますが、経営における知財の重要性が、本当に増していくのであれば、そのような情報は、投資家にとっても、経営層にとっても、重要なものになっていくと思います。




話は変わりますが、
企業経営における知財の重要性、ということが、
本当に腹に落ちている人は、一部の業界・企業に限られているように思います。

 

なんとなく、知財は重要ですよね、と言っておけば良い。
「知財」とか「知財戦略」といった言葉が、
企業経営における一種のバスワードになっているような点があると感じます。

 

それは結局、知財が本当に事業貢献している日本企業が少ないから。

 

バズワードとしての知財戦略」に流されることなく、
また知財権の活用を諦めることもなく、
本当の意味での知財の事業貢献を考えていけたらいいなと思います。

 

そういう考えが熟成されれば、知財監査も日本において日の目を見るのかもしれません。



 - 知財戦略

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