書籍の電子データ化と著作権、国立図書館について思うところ
2014/08/21
書籍の電子データ化が進み、各業界が対応に追われているところ、
ノルウェーで、2001年よりも前に出版された書籍をデジタル化してインターネット上で無料で公開するプロジェクトが進行中だ。無償の電子書籍サービスと作家の著作権との折り合いを付ける方法の一例となりそうだ。
ノルウェー語で「本棚」を意味する同サイトでは現在、13万5000点の閲覧が可能で、対象作品はノーベル賞作家クヌート・ハムスン(Knut Hamsun)の名作から、現代の売れっ子作家ジョー・ネスボ(Jo Nesboe)のミステリー小説まで幅広い。最終的にはノルウェー語に翻訳された外国作品も含めて25万点をデジタル化する計画だ。
ノルウェーの著作権の保護期間は著作者の没後70年だが、国立図書館のビグディス・モエ・スカーシタイン(Vigdis Moe Skarstein)館長によると、まだ著作権の保護下にある書籍をインターネットで無料閲覧可能にする試みは初めてだという。
同館長は「多くの国の国立図書館が、所蔵作品の保管や利用を増やすといった理由から、デジタル化を進めているが、それらはすでに著作権が消滅している本だ。われわれは、この先1000年後まで保管するためには全書籍のデジタル化が必要だとなったときから(まだ著作権の保護下にある作品も含めることで)、ネット閲覧へのアクセスをできるだけ増やすことも重要だと思った」とデジタル化の意義を説明した。
ノルウェー国立図書館は、デジタル化した書籍のネット公開について、ページ単位であらかじめ決めてある印税をまとめて支払う契約を、国内の主な作家や出版社などを代表する著作権者団体コピノル(Kopinor)と交わしている。コピノルから加盟メンバーに印税が分配される仕組みだ。この制度は現在試験施行中だが、閲覧可能作品が増えるごとにページ当たりの印税は下がっており、昨年は1ページにつき0.36クローネ(約6円)だったが、来年は0.33クローナ(約5.5円)へ引き下げられる予定だ。
ユーザ視点で考えると、
最近の書籍も含めたデジタルデータ化とその自由閲覧は、まさに望むべきもの。
私見ですが、一度デジタルアーカイブされた情報や、公表されたコンテンツは、
必ず海賊版サイト等で出回ってしまい、その技術的、あるいは法的な制限は不可能だと考えています。
技術的な制限は、いたちごっことなり、
情報強者のみが得をする、 通常のユーザに不便を強要することなる。
法的な制限は、やはり強制力や実効力に乏しく、
厳しい規制はクリエイティブな活動すら抑制する、
特にボーダレスなネット世界では一部の国のみが得をする。
技術的な制限は、いたちごっことなり、
情報強者のみが得をする、 通常のユーザに不便を強要することなる。
法的な制限は、やはり強制力や実効力に乏しく、
厳しい規制はクリエイティブな活動すら抑制する、
特にボーダレスなネット世界では一部の国のみが得をする。
仕組みとして、ユーザが便利に使えて、
クリエイターにお金が還元されるものを作らないといけない。
ノルウェーの今回の試みは、まさにそのど真ん中をいっています。
こういうことをするには、既得権益を壊していく必要があるのですが、
それが日本ではなかなか難しそう。
先日も、まったく反対の方向を行くようなニュースが日本では見られています。
国立国会図書館が著作権の保護期間が切れた書籍を公開したところ、出版会社からの公開中止要請を受け、公開停止をした。
この差は一体、どういうところから来るのでしょうか。
コンテンツを集約してページビューを集めて、
閲覧度合いに応じて広告収入を分け合うようなプラットフォーム、
そんな仕組みに皆が乗っかればいいのにな。
またはジャスラックみたいな仕組みを拡張するとか。
コンテンツを集約してページビューを集めて、
閲覧度合いに応じて広告収入を分け合うようなプラットフォーム、
そんな仕組みに皆が乗っかればいいのにな。
またはジャスラックみたいな仕組みを拡張するとか。
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