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弁理士の新しいキャリア

      2014/08/21


弁理士のキャリアの広がりについてと、新しい道を切り開く友人の応援。

弁理士 職業統計

平成24年度の弁理士試験に最終合格した方の、職業統計がこちら。
弁理士合格者職業割合
会社員が44%で、特許事務所が29%です。

無職の12%は、試験勉強に専念している方ですね。
公務員の7%は、ほとんどが特許庁の人で、免除を使っての合格でしょう。
この辺を無視すると、
会社員が6割、特許事務所が4割
というのが合格者の内訳。


一方で、現在登録している弁理士の職業統計がこちら。

登録弁理士職業割合
実に8割が特許事務所で、2割程度が企業内弁理士となっています。

試験勉強に専念していた人はほとんどが特許事務所に入り、
会社員で弁理士試験に合格した人も、特許事務所に転職する率が相当程度あることが分かります。

弁理士のキャリア

さて、これらのデータを踏まえた上で、
弁理士試験に合格した後のキャリアについて考えます。

試験合格後の2大選択肢が、
①特許事務所勤務
②企業知財部
の2つでしょう。

上記のデータから、①特許事務所勤務が多数ですが、②企業知財部の割合が増加していることが分かります。

特許事務所

弁理士という「資格」をフルに活かすのなら、やはり専権業務を行うことができる特許事務所に入るのが自然です。

自分の力と資格でもって、売上を上げることができる。それはとても魅力的なことです。
ただし、代筆屋と揶揄されるように、基本的な仕事は特許明細書の作成に尽きることになります。大きな事務所ほど、企業からの指示に沿った明細書の作成になり、差別化が難しい。

特に最近は大規模事務所に仕事が集中する傾向があり、弁理士の数が増え、日本特許出願件数が減少する中で、苦しい事務所も増えているようです。
事務所弁理士の新たな業務の展開が求められています。

企業知財部

企業内弁理士の数は増加しています。
企業の中で務めるのであれば、弁理士の専権業務は行わず、資格を活かすというよりは知識を活かすことになります。

特許事務所から見れば業務の発注元であり、やはり経済活動の源流となっているのはメーカー等の企業です。知財の中でも、また知財の枠を超えて、様々な知見が求められ、経験の幅も広くなります。
企業の中でないと見えないこと、分からないことも多く、刺激的・魅力的な仕事も多い。

ただし、知財部はいわゆる管理部門であって、通常の企業であれば、事業の主役にはなれない。
予算が厳しいときに最初にカットされるのは知財部予算だったりします。


弁理士の新しいキャリア

上記のような選択肢には限りがあって、
弁理士の新たな業務や職業が求められている風潮があります。

しかし、それはコンサルだったり企業の経営企画部門だったり、
新しい広がりを求めるほど、知財から離れていく。


そんな中で、私の弁理士受験生時代の戦友が、企業の監査役に就任しました。
こちらのブログで、とてもいいことを言っています。

カチプラ 「将棋の駒でいうと「歩兵」のような弁理士でありたい」

これまで弁理士が企業の監査役になるという例を聞いたことがありませんが、弁理士ならではの業務、キャリアの築き方として、企業の監査役というのは非常に良い方向だと思います。

企業の監査役というと、重鎮の経営者か、弁護士・会計士といった士業がほとんどです。
ですが、弁理士は知財はもちろん、技術と法律の専門家であって、企業経営の監査をするには意外と適した能力を持っていると思います。

知財監査についても色々と考察されています。

知財監査が必要な時代 知的財産活動が経営戦略の穴を埋める次の一手


今回の事例が成功して、弁理士が企業の監査役になる、ということが広がっていけば、弁理士業界の新しい希望になるでしょう。
まさに弁理士の新しいキャリアを切り開いていく彼を、ぜひ応援していきたいです。

 - 弁理士

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